荒野のジャバザハット

ネメシス/S.T.Xの荒野のジャバザハットのレビュー・感想・評価

ネメシス/S.T.X(2002年製作の映画)
3.2
中々に盛り上がりを見せるTNG劇場版シリーズの完結編。
後半にあるウォーバードを加えた戦闘シーンは見応えがあり派手さを見せないスタトレには珍しい迫力には普通にテンション上がる!

航海を共にしたクルーとの家族愛というテーマはまさにラストに相応しい、そしてTNGの中心キャラクターであるデータ少佐の物語という意味でもラストにもってこいの内容。

ただ、うーん。なんだろ、、、
テーマが大きすぎたというか、
敵キャラクターがすごい魅力ある設定なのにこちら側にあまりにも都合の良い役回りにさせられていてちょっと納得がいかない。

自身の存在意義を奪われ地下鉱山という文字通りどん底へと叩き込まれた彼がロミュランカーストの最下層を担う者達を束ね革命を起こす物語の方が余りにも魅力的で、そんな彼に対して"偽物は向上心が欠落している"という言葉一つで解決できる問題ではなくなっている。

この場合の向上心というのは、未知への探究心や知識や経験の向上を指しているのだとすれば、それは自身の成長環境に余裕がある者の発言であって、劣悪環境に置かれた彼等には到底不可能な条件。革命という立派な向上心があるにも関わらず彼等の意思を蔑ろにしたこの発言は平和ボケした者の戯言でしかない。

底辺から這い上がり革命を起こそうとする悪役を(しかも人口的に作られ難病を抱えているときたもんだ!!)応援せずにいられんだろ!!
制作陣もそれに気付いたか、後半このキャラクターは悪であるという植え付けを無理に進めた為彼等の設定が弱くなっていってしまった。

うーん、艦長とデータにはもっと彼等と向き合って欲しかったな…
宇宙艦隊である使命と正義の行いに対して葛藤するのがスタトレだと思っているので、、、

設定が面白かっただけに残念。(特別珍しい設定というわけではないが笑)

TNGの劇場版は全部観た結果、特別刺さる内容はなかったかな。。。
でも、なんかファミリー感は出て良かったよね!
ライカー、念願のなんか色々手に入れて、おめでとう!!
すたとれさいこう!