回想シーンでご飯3杯いける

ラリー・フリントの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ラリー・フリント(1996年製作の映画)
4.0
ストリップクラブを経営していた主人公ラリー・フリントが、ポルノ雑誌を創刊し世間を騒がせる話。裸満載のクラブを舞台に、行き当たりばったりのフリントが次々とトラブルを起こす。猥褻物販売の罪で裁判所に出廷しても、裁判官を侮辱し、更なるトラブルを生み出していく。

目も当てられないフリントの無軌道ぶりに正直脱落しそうになったが、彼が銃撃によって下半身不随になってしまう下りから、作品の方向性が大きく変わってくる。

身体の自由が利かなくなった彼が気付いた、エロやユーモアの意味とは?

弁護士を演じるエドワード・ノートンと、フリントの妻となるストリップ嬢を演じるコートニー・ラブの熱演にも注目。こんな下品な映画から人間が生きる意味を知る熱いメッセージを受け取ることになるとは驚きだ。

鑑賞後に知ったのだが、監督は「カッコーの巣の上で」や「アマデウス」で知られるミロス・フォアマンで、この「ラリー・フリント」でベルリン国際映画祭金熊賞を獲得したそうだ。

女性の股間をモチーフにしたポスターは日本独自の物で、本国アメリカの物は「表現の自由」を示唆するユーモアとメッセージを内包したデザインになっている。日本側の配給会社って'90年代からこうして余計な事をしていたのか。