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愛と喝采の日々のkamekichi313のレビュー・感想・評価

愛と喝采の日々(1977年製作の映画)
4.5
舞台芸術が終わるとき、そこに一番の焦点を当てた数少ない素晴らしいバレエ映画。実は一番なくてはならなかったのが、ユーリを演じたダンサー。とにかく凄いバレエダンサーで、華があるし10回転ピルエットとか何度もしちゃう技術力だし、たったの一度もブレ無い完璧さは鳥肌。そしてヒロインのエミリア、箱入り娘のような気品があって、特に肩甲骨など柔軟性もあって、ポワントでのステップがとても美しい、ただ回転の不安定さを除けば、はじめの登場からキラキラして見えた。最後に、一つの選択から全く違う人生になった母とバレリーナ、2人の中年女性の激しい葛藤は見もの。嫉妬と策略と女の世界の男にも勝るような争いとそれを超えた理解と友情の描き方には、心を揺さぶられる。バレエは本当に厳しい世界だから、同時に2つ手に入れられない残酷なところがしっかり演出されていた。ちなみに、オープニングのロールの背景の1列で踊るとき、先頭の一人だけ別次元に上手かったのが気になりました。
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