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愛と喝采の日々のtjZeroのレビュー・感想・評価

愛と喝采の日々(1977年製作の映画)
3.6
ディーディー(シャーリー・マクレーン)とエマ(アン・バンクロフト)は、かつて同じバレエ劇団で花形を競ったライバル同士。
結婚を機に引退していたディーディーだったが、長女がエマの所属する劇団にスカウトされることになり、再びバレエ界との交流が始まる…。

原題は”The Turning Point”。
そのまま訳せば”転機”なんだろうけど、バレエの”回転(ターン)”の意味も込められているように感じた。

ダンサーだけでなく、振付師や演出家、興行主やその家族たち…といったそれぞれのキャラクターが、自分の人生をクルクルと踊って生きているように見えてくる描き方。

その人生の回転の同心円がぶつかるところに、嫉妬とか友情とか、恋愛や葛藤といったいろんなドラマが生まれていく…そんな幾何学模様の人間関係を楽しむ映画。

女同士が大ゲンカするシーンもあるんだけど、まったくドロドロしてなく、カラッとしているので観ていて気持がいい。

世界的なダンサーであるミハエル・バリシニコフも出演していて華麗な舞を披露してくれたりするので、ドラマも踊りもどちらも効率よく楽しめる、大変コスパのいい作品。

監督はハーバート・ロス。
実際にバレエの振付師だったそうで、さすがに踊りの場面の撮り方は手慣れたもの。
そういえば、『フットルース』でもダンスの躍動感を見事に捉えてくれていたっけ。
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