たらこパスタ

鏡のたらこパスタのネタバレレビュー・内容・結末

(1974年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

見終わったあとしばらく頭の中が整理できてない情報量の洪水で、鑑賞中我に帰る瞬間が一瞬もなかったからかなんだか観終わっても30分くらいずっとふわふわした感じが抜けなかった.....!
映画館で観たんですがその足で近くのTSUTAYAに行ってDVDを借りて2回観ました🏃‍♀️

なかなか思ったことを言語化するのが難しかった作品で、以下、めちゃくちゃで散乱した文章になってしまいました。↓

ワンシーンワンシーンどこも引力が凄まじくてその都度意識が映画内に同時進行でのめり込んで行った。明確なストーリーラインが存在していないことと、暗喩的なアイテム、そして、史実を映し出すシーン、これらの要素は普段なら観た直後の時間で解釈をするのを勝手に行い若干のタイムラグが発生しなんらかの感情が起こるということが個人的に多いです。が、この作品ではその解釈のラグが自覚できなかった、もしくはそういう過程をすっ飛ばして感情が揺さぶられているのかも、という部分が大半でした。
ラストシーン、1回目観てわかっていても2回目も色褪せることなく胸がいっぱいになった。タイミングも曲も映されるもの全部が物凄い共鳴しているように感じた!

全体を通じて加速度の変化が印象的でこの非現実的な加速度やシームレスに重力が弱くなる浮遊感に夢中になった!あと、なにか人ではないものに意志があるような超自然的なパワーが何かを起こしそう、という感じがずっとしていた。視線誘導された先に待っていたかのように結構意外な何かが起こる という場面がいくつかあったのでそこらへんから受けた印象かもしれないです

好きなシーンが山ほどあった。窓側に置かれた二つの卵からそとの祖母と兄妹が柔らかい光の中にいるシーン、守られている心地よさをノスタルジーを介して感じてすごく好き。鳥が生き返る所、好き。宝石を売りに行った帰り道の途中から読まれる「人間の肉体はひとつ、魂の独房〜」から始まる詩が素敵だなと思った。
後で調べたらタルコフスキー監督のお父さんのアルセーニー・タルコフスキーさんの「エウリュディケ」という詩だそうです。この詩はこのあと、夢でもう一つの魂がもうひとつの服を着て希望へと駆けていくという内容が続きます。この作品の時間の混ざり方、時間が一方向へ進み続けるわけではない感じ、夢を見るときみたいだなぁと思いました。鏡写しな状況になっている自分の息子と自信の幼少期、自身の妻と母 それらが重なり合い時間をジャンプして入れ込んだ末、ラストにかけて時間の隔たりの不連続さが同じ空間上でもはやなくなって溶け合っていくような展開で、(多分)現実では満たされなかった守られていた子ども時代が存在していて、暖かさと何かに刺されてるような感じが同時にした、気がするがうまく言語にできません....とにかく観ることができて良かった!!!
たらこパスタ

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