ミラーズ

居酒屋兆治のミラーズのレビュー・感想・評価

居酒屋兆治(1983年製作の映画)
5.0
健さん居酒屋になるの巻

この映画は公開前に、観に行ったアメリカ映画の「ブルーサンダー」の前に流れる長い予告編が、結構印象に残っている作品だった。ただ当時は子供だったので、描かれるその世界に興味有りませんでしたが・・

上司からのリストラ指示に嫌気がさして大手造船所を辞めた健さんが、居酒屋稼業に入り、軌道乗り始めた頃、昔の彼女の大原麗子から連絡が・・

大原麗子の元彼女は、結婚して子供もいるが、健さんが忘れられずにいる。

しかも少し心を病んでいる雰囲気も漂わせる。

突然健さん店に現れて、思い詰めた様子で恨めしそうに「あなたが悪いのよ〜」と一言!ちょっと怖いよ。

この映画の背景に流れる曲が、カラオケや店舗の有線から無造作に選んでいるのか、麗子が病気で吐血しながら死ぬ場面で、背景に流れる曲がアニメソングで有名な杏里の「キャツアイ」なのは、無神経なのかギャグなのか?ここは理解に苦しむ。

だけど大原麗子当時37歳、首回りのたるみも目立つ熟女だが、はっとするほど美しい。

そういえば、健さん初のテレビドラマシリーズ「あにき」でも兄妹役で共演してたな。網走番外地とか。

健さんと田中邦衛は私生活でも仲良しらしいので、二人の絡みは健さんの素が出ている。
冒頭の邦衛との絡みは、ホントに仲の良い仔犬がじゃれてるようだ。

大滝秀治(当時58歳)が劇中で石野真子を嫁にしている?!石野真子は当時、長渕と離婚したばかりの当時23歳だが、めちゃくちゃかわいいくて、10代に見えるので、犯罪だー!ホントは羨ましいけど。

左とん平が麗子の旦那。抑えた演技で好演。

気になるところは、大した証拠もないのに6日間も健さんを拘留する小林稔侍警察は無能では?

そういえば、失踪した大原麗子が働くキャバレーはどう見て風俗店な印象。

小松政夫さんのパートは、どうしてもギャグコント風に見えてしまう。

伊丹十三扮する社長の行動は、鉄拳制裁が多くてほとんど暴力団。それに付随する殴る蹴るの効果音がタイミングを含めてヒドイ。コントか!

初代三菱パジェロに乗った健さんと邦衛が、川の中を爆走!環境破壊だ!

全体的には降旗康男監督の正統派の職人芸と木村大作キャメラマンの映像はさすがの素晴らしさで楽しめます。