ビターチョコ

ほしのこえのビターチョコのレビュー・感想・評価

ほしのこえ(2002年製作の映画)
4.1
約25分の短編アニメ。
公開された2002年当時、アニメ業界ですごく話題になった。
映像は、新海誠監督がたった一人で作ったそうだ。つまり音(声優と音楽など)の制作には協力者がいるが、PCを使い、一人で7ヶ月かけて作ったそうだ(脚本、絵コンテ、演出、キャラデザイン、メカデザイン、美術デザイン、作画、背景、撮影、編集、監督の全てをたった一人で)。

■あらすじ
一組の若い男女がいる。宇宙怪獣と戦うため、選ばれた女性だけが宇宙に行く。二人の物理的な距離は、どんどん離れていく……。

■新海誠監督の出自
実家が1909年創業の建設会社(ゼネコン)を代々営む新津組。1973年生れの彼は、生れた時から御曹司だろう。さらに母親が絵を描く人で、県の美術展に入選することもあったそうだ、趣味レベルだろうが(ウィキペディアより)。

そんな新海誠氏が2002年に、自力だけで発表したのがこの短編アニメ『ほしのこえ』。宮崎吾朗監督『ゲド戦記』(2006年)とは月とすっぽんだ。もちろん輝く月が『ほしのこえ』。
そんな新海監督は映画制作を続け、2016年に『君の名は。』が大ヒット! 日本で老若男女が観たらしい。

正直なところ、今の私は彼の作風は好きじゃない。まじめな若い男女の恋愛が柱にあるから。だが、アニメ制作を一人だけで始めた経緯などで、私は彼を創作者として評価している。

この短編映画は、作品として好きだ。アニメーターではない彼の作画は稚拙だが、その稚拙さが作品と合っていて、私は泣けるのだ。もう10年くらい観ていないが、久しぶりに観たくなってきた。