マーくんパパ

シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛のマーくんパパのレビュー・感想・評価

3.8
題名のシンデレラリバティとは水兵に与えられた“12時までの自由時間”のこと。ある港に上陸した甲板長ジョンが健康診断結果待ちの為、再乗船猶予となる所から物語は始まる。酒場で知り合った女マギーとその混血息子ダグの貧しい生活に同情し力を貸して行くうちに結婚まで考え始めるジョン。『ゴッドファーザー』の荒くれ短期長男とは打って変わった超優しい人情水夫役のJ ・カーンとその優しさに絆されて結婚夢見る女M ・メイスンのほのぼの情景がとても良い。片親で育ち半分グレかかっていた11祭息子との距離の詰まり具合が息子のほんのちょっとした表情に表れてそれもホッコリさせられる。【「昨日は何処に?」「そんな昔のことは覚えてない」「今夜時間ある?」「そんな先のことはわからない」】これは『カサブランカ』でのバーグマンとボガードの粋なやり取り。この映画でも【女「明日会いましょ」男「明日は来ないかも」女「きた時に会いましょ」男「明日来るよ」女「私がいないかも」男「いる時に来る」】とカーンとメイスンの粋なやり取りがあります。メイスンが息子を置いて別の男と故郷へ帰ってしまう唐突感は否めないが、優しさに溢れたこの種の映画は好きだな。元鬼の教官退役させられてキャバレー呼び込み係しているシーンの哀愁とラストのコントラストもほのぼのでした。亡くなったカーンの代表作一押し。