千年女優

模倣犯の千年女優のレビュー・感想・評価

模倣犯(2002年製作の映画)
3.0
豆腐屋を営む有馬義男の孫娘で失踪していた古川鞠子の所持品が見つかるも同時に切断された腕も発見され、それが別人のものであると発覚した直後にテレビの生放送中に届いた犯人からの声明によって日本中を震撼させる連続女性拉致殺害事件に発展。自尊心の塊のような青年「ピース」が仕組んだ大事件の顛末を描いたサスペンス映画です。

直木賞作家の宮部みゆきが手掛けて2001年の「このミステリーがすごい!」や「週刊文春ミステリーベスト10」で一位に輝いたベストセラー小説を『家族ゲーム』の森田芳光が映画化した作品で、主人公である自称「天才」の犯罪者をSMAPの中居正広が演じて話題を集めましたが最終盤の改編が原作ファンから悪評を買う問題作となりました。

1984年の『ときめきに死す』では沢田研二で鬱屈とした暗殺者を描きましたが、それに連ねる様に人気者の中居正広をキャスティングして「イマドキ」な孤高犯を演出します。それとカリスマ気取りを地に落とす大逆転カタルシスが魅力の原作との相性が最悪なのは否めませんが、ドンデモ展開の最終盤は良くも悪くも度肝を抜かれる一作です。
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