タコ26

アンヴィル!夢を諦めきれない男たちのタコ26のレビュー・感想・評価

4.3
今は亡き、千葉の映画館で鑑賞し、久しぶりに素直な涙を流した作品。

ヘヴィメタルは日本では「ダサい、古い、臭そう」の代名詞のようなジャンルですが、80年代に世界的な一大ムーブメントがありました。これは確かな実績がありながら不遇な環境にいるバンドのドキュメンタリーです。

私自身、この嫌われものなメタルという音楽が大好き。かなり細分化されたジャンルであり、実は2,000年代は世界的にメタルがかなり復権しています。日本人では一部の洋楽ファン以外はその事実を知らないでしょう。アメリカのチャートでは多くのバンドがトップ10位内に入るなどしています。

ただ、どのジャンルにも流行りのスタイルがあり、本編の主役であるアンヴィルのやっている音や演奏は王道の80年代スタイルなので、かなり古いです。正直、昨今のメタル好きが聴いても、ダサい、古いで終わるでしょう。ほぼ間違いなくメタル的に見ても売れません。

まぁそんなこと彼等も分かってるでしょう。でも、その音が彼等にとって最高なんです。それをやっている自分達が好きだし、何より気持ちがいいんでしょう。バンドマンでなくたって、何かを作りだそうともがいた事のある者には共感/痛感しますよね。

歳をとり、見た目が悲惨になってもギターを持ってステージに立てば、俺様達は最高なんだ!

妻子がいて、周りよりも少ない年収、逼迫する家計、一般的に見れば平均以下の暮らし。やりたくてもレコーディング代なんてない。お先真っ暗、、でもギターやバンドがあれば、俺は俺でいれる!華やかな人生ではないけど、好きな事に人生の大半を素直に捧げてきた男達。決して褒められたものじゃない。でも、羨ましくもある。生活のために仕事を嫌々しているだけの自分の現状から見ると、彼らがやたら眩しく見える。

まぁ深く考え過ぎずに見てあげましょう。最後に2016年現在も彼らはバンドを続けている事を記しておきます。