滝和也

戦場よさらばの滝和也のレビュー・感想・評価

戦場よさらば(1932年製作の映画)
3.5
ヘミングウェイ原作
戦場の悲恋を描く
平和への鎮魂歌…

モロッコに続く
ゲーリー・クーパー
主演メロドラマ。

「戦場よさらば」

DVDには武器よさらばとありますが、フィルマではこの名前の様ですね。ゲーリー・クーパーの全集が買ってあったので鑑賞です。

第一次世界大戦、イタリア。米国人のヘンリー中尉は救命部隊として従軍していた。その中、友人で上司でもあるリナルディ少佐に誘われ、従軍看護婦のキャサリンと出会う。一瞬にして惹かれ合った二人は恋に落ちるが、戦火の中、二人は引き離されて行く…。

長身痩躯の優男クーパーがあっと言う間に可愛子ちゃんタイプのヘレン・ヘイズと恋仲になってイチャ付く展開。但し戦時下。しかも…この二人を引き裂くのは戦火だけでなく、正に昼メロばりの嫉妬?という展開なんですよね。

モロッコでもヒロインをクーパーと取り合ったアドルフ・マンジューが…最初はヒロインをかっ攫われた恨みかと思いきや…これ…アレじゃないかと言う感じに…。戦場で友情が愛情に…(笑)

またキャサリン側の友人も何か変…。如何にヘンリーが嫌いだからって、あの仕打ちはない(笑)ってレベルの事をする…こちらもまさかの…なの?と言う…。

兎に角、愛し合っている二人に艱難辛苦が立ちふさがりますが…戦場部分も勿論出て来る。この戦場シーンが迫力があるんです。爆撃の戦闘機や爆発シーンも中々の特撮で…と思ったらアカデミーで撮影、録音賞を取ってました…。序盤にあった爆撃から病院に運ばれた辺りのカット割や視点固定もかなり不穏で面白い撮り方してますよね。今ならこの手なら何かあると踏みますが…(笑)

クープの優男ぶりはモロッコと変わらないのですが、やはり相手役が…マレーネと比べてはいけないのですが…、可愛いキャラで私の好みとは違うのかなと(笑)まぁ戦前に昼メロのフォーマットは既に出来上がっていたかのかと膝を打つ作品であることは間違いなく…モロッコと比較しながら見ても面白いかもしれません。お暇な時にでも(^^)
滝和也

滝和也