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風が吹くままのatsukiのレビュー・感想・評価

風が吹くまま(1999年製作の映画)
4.0
ベーザードが乳搾りをする女の子へ詠み聞かせる詩が全てだと思う。つまり、心は風が吹くままに変化するということ。心地の良いそよ風が吹いていた2人の関係性は、ベーザードのふと出た言葉によって荒れ狂う台風が発生し、決定的に壊されてしまう。多分、ファザードはテストで分からない問題があったと思う。けれど、こんな人には教わるまいと軽蔑したようにも見える。カフェの夫婦もそうだろう。だからこそ、容易に返事さえしなかった乳搾りをする女の子は深く根を張る樹木のように感じる。「風と木の葉が逢瀬する」という表現のように、コミュニケーションは「壊れる恐怖が潜んでる」から、木の葉を風で揺らすくらい繊細なものだと思う。そんな人々と交流をする場面では「秘密を抱えるとウズウズして、話したくなる」と言うように、会話の相手が見えないことが多い。とは言いつつも、人は思ってもないことを口に出さないはず。だからベーザードがその後に体験したことが大切だと思う。「死」というテーマを抜きにしても、ぜひ週間文春の方々に観ていただきたい。