あんがすざろっく

アベンジャーズのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

アベンジャーズ(2012年製作の映画)
4.2
長いですよ〜。グダグダと長いこと書いてますよ〜。思い入れだけで書いてますからね。宜しくお願いします。

マーベルもMCUも、今ほど浸透していなかった時代。スーパーヒーローが集結して悪と戦う、こんなストーリーに胸躍らせた男性映画ファンは多かったに違いない。
今ならマーベル女子が溢れているので、マーベルの名前はよく知られているはず。
でも多分、ホントにマーベル作品が好きな女性もいるとは思うけど、半分くらいは、マーベルのロゴをファッションの一部として認識されてるかな…。

いつか奥さんがこんな話をしてきました。

「ねぇねぇ、マーベルってなぁに?」
「えっ、マーベル?それを俺に聞くんだな、フッ。マーベルってのはね、要するに、アメリカの漫画コミックのことだよ。色々な物語が連載されてるんだ。日本で言ったら、少年ジャンプみたいな感じだよね。」
「ふ〜ん。今なんか話題になってる何とか、ってのは、マーベルなんでしょ?」
「何とか?あ〜アベンジャーズだね。アベンジャーズはね、要するに、そのマーベルコミックで連載されてる別々の話のヒーローが集まって…」
「ププッ。熱弁すると、いつも“要するに”って使うよね」
「えっ?いやいや、だからさ、アベンジャーズはね、要するにジャンプで言ったら、キン肉マンとケンシロウと星矢と孫悟空が一本の映画に…」
「また“要するに”って出た(笑)」
「だから要するにさ、それだけスーパーヒーローが大集結して…」
「ププッ。要するに、スーパーヒーローが出てるのね(笑)」
苛々イライラ……‼︎

不毛な会話してましたね。
まぁ要するに、奥さんは僕をからかって遊んでただけです、まるっきりマーベルにもアベンジャーズにも興味なし。
あっ、やっぱり要するにって使ってるか。
僕だってそこまでアメコミ詳しくなかったけど、それぐらいスーパーヒーローの集結は、熱弁せざるを得ない内容だった訳です。

多分スーパーヒーローが集結、と聞いて思い浮かべるのは、東映のスーパーヒーロー大集合。
歴代戦隊ヒーローが集まって「映画館で僕と握手‼︎」なんて光景が実しやかに脳内に映し出される訳です。
日本男児のスーパーヒーロー集結のイメージって、それだと思うんですよ。
それが完全にぶち壊された。




日本よ、これが映画だ。




そうだそうだ、これこそ映画だ。


ヒーローそれぞれが実に個性的です。
まずは実業家にして天才、プレイボーイの億万長者、トニー・スターク。
自ら作り上げた戦闘用アーマースーツを身につけ、アイアンマンとして世界を守る。

第二次世界大戦中、超人計画の被験者となった結果、無敵の力を手にしたスティーブ・ロジャース。
70年の冬眠から目覚め、キャプテン・アメリカとしてチームの理想を背負って立つ。

神の国から追放され、一度は地球に落とされるものの、そこで自らのアイデンティティーを見つけた雷神ソー・オーディーン。
弟の悪事を制裁し、地球を救う為、再び地上に降臨する。

ガンマ線の実験に失敗するも、天才的な科学の頭脳を持つ、ブルース・バナー。
彼自身は世界を相手にしたくないのに、一たび怒りが頂点に達すれば、凶暴な怪物ハルクに変貌し、所構わず暴れまわる。

KGBが育てた女暗殺者にして、チームのリクルートに奔走するナターシャ・ロマノフ。
通称ブラック・ウィドウとして名を馳せ、様々な作戦でその手を血に染めているものの、実は自らの過去に悩まされ、どこかで心の拠り所を探している。

並外れた弓矢の腕を持つエージェント、クリント・バートン、通称ホークアイ。
ナターシャと同じく、スーパーパワーは持ち合わせてはいないが、その度胸と男気で、S.H.I.E.L.D.にもチームにもなくてはならない存在に。



誰が名付けたか、彼らこそ最強ヒーローチーム、アベンジャーズ。




いやいや、名付けたのはS.H.I.E.L.D.の長官、ニック・フューリー。
片目に眼帯、どこか不敵な佇まいは、宇宙からの侵略者に対抗すべく、時に暗躍し、アベンジャーズの裏もかく。
アベンジャーズの名前にも、ちゃんと由来があって、これを追いかけるのもMCUの醍醐味。



トニー・スタークを演じるのは、何とロバート・ダウニー・ジュニア。
ここで「何と」とつけたのは、アイアンマン公開当時、彼のイメージはどちらかと言うと、クセがあったから。
キャリアも長く、チャップリンを演じた「チャーリー」を始めとして、演技派として知られていたロバートだけど、プライベートでも様々な話題がつきまとっていて、とてもヒーロー向きではなかったし、アクション向きとも思えなかった。

ところが、これがマーベルの大英断となり、快進撃の弾みになった。

ヒーローと言えど、トニーのキャラクターはとても「ヒーロー」とは言い難い。
そこからトニーの旅はスタートしていて、如何にシリーズを通して彼がヒーローに相応しい活躍をするようになるかの、成長物語でもある。
清濁呑んできたロバートならではのエッセンスが、バツグンに効いたのだ。
もう今や、「アイアンマン」イコール「ロバート・ダウニー・ジュニア」。
いや、MCUの顔と言っていい。

スティーブ・ロジャースを演じたのは、クリス・エヴァンス。
他の出演作品を見たことはないけど、おそらくキャップ以前と以後で分けれる程、彼のキャリアの転換点になったはず。
DCの「スーパーマン」のような、アメリカの良心と理想、正義を体現した熱演は、あまりに大真面目過ぎて滑稽に映ることもあるけど、キャップも少しずつ砕けていく。
そりゃ70年間のカルチャーギャップはデカすぎるよね。
ただ、ヒーローチームにリーダーが必要なら、やはりキャップが適役。

ソーを演じるのは、クリス・ヘムズワース。
あの低い声がクセになる(笑)。
この人のコメディセンスは、ちょっと無視できない。
女性版「ゴーストバスターズ」に出演していたクリスですが、主役のゴーストバスターズを食ってしまう程のノリノリ怪演。
そのキャラが生かされての、ソーシリーズの確変に繋がる訳だね。

ナターシャは、もう色気プンプン、スカーレット・ヨハンソン。
この人も声がセクシー過ぎて、AIの“声”を演じた「Her/世界でひとつの彼女」は最高。勿論アクションの身のこなしも見事。

クリントを演じたのは、ジェレミー・レナー。この方はどうも僕は馴染めないんだけど(笑)、作品を追うごとに目が離せなくなって、エンドゲームは彼の感情の波が見所だった。

ブルースを演じたのは、マーク・ラファロ。MCUスタートの一翼を担った「インクレディブル・ハルク」のエドワード・ノートンからバトンタッチしたのは有名な話。
ルックスからして別人じゃん‼︎って思うけど、今はもうハルクはラファロですね。
逆に「インクレディブル〜」が無き者扱いになってる気がして…。面白いのに。

さて、そのアベンジャーズが立ち向かうべき敵。


今作で地球を危機に陥れるのは、雷神ソーの弟であり、悪戯の神、ロキ。
この作品一本観ただけでは、確かに悪役に過ぎない。
だけど、実はMCUのキャラクターの中では、かなりの人気。
それは、スターウォーズのダースベイダーのような、悪のカリスマ性故ではないはず。

他のMCUシリーズ、特にソーシリーズを追いかけると分かるんだけど、このロキ、「悪戯」の神と漢字で書けば悪役にピッタリだけど、どちらかと言えば、「イタズラ」と書いた方がしっくりくる。可愛げがあるんですよ。兄に構ってもらえなくて拗ねてる、ヤキモチ焼き。自分だって凄いんだぞ‼︎と主張しまくり。アベンジャーズだけではロキの側面はなかなか見えてこなくて、追えば追う程、キャラクターの魅力が深くなってくる。演じたトム・ヒドルストン人気の急上昇も納得。
ロキが気になったら、「マイティ・ソー/バトルロワイヤル」がオススメ。

それから、S.H.I.E.L.D.のエージェント、コールソン。
小さい頃からキャプテン・アメリカの大ファンで、冬眠から覚めた当の本人を前にして、緊張しながらも「あなたと一緒に仕事が出来て光栄です」と敬意を表す彼に、観客は一気に親近感を抱くに違いない。

最初から個性の塊のようなアベンジャーズが、団結を見せるきっかけになるのがコールソンの存在で、彼を主役にしたテレビシリーズも作られました、まだ見てないから、いずれ見たいと思ってます。
演じたクラーク・グレッグの物腰の柔らかそうな雰囲気も魅力。

とにかく、全てのキャラクターに愛情がいっぱい詰まっている。

公開した頃は僕はアイアンマンとハルクしか知らなかったけど、いつの間にかその世界に取り込まれました。

これだけ大きなプロジェクトになることを、これ程大成功することを、この頃誰が想像したでしょう。

今本作をブルーレイで見返していて、特典映像の「アベンジャーズへの道のり」を見てますが、とんでもないボリューム‼︎
一回見ただけでは、やっぱりMCUは終わらないんですね。
僕この何日か、何回MCUって打ってるんだろう。
本作のキモである、assembleシーンも、興奮よりも感慨が勝っている。

エンドゲームという、3時間に及ぶ卒業式を経て、今手にしているのは思い出のアルバム。
あんなこと、こんなこと、あったでしょう。
委員長がいて、副委員長がいて、悪ガキがいて、秀才がいて、マドンナがいて。

こんなヒーロー映画、2度と見れないですよ。
この感動を味わえないうちの奥さんが可愛そうになってくる(笑)。
いずれこの感動は、息子に引き継ぎます。

MCU 6作目
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