ガブXスカイウォーカー

メカゴジラの逆襲のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

メカゴジラの逆襲(1975年製作の映画)
4.0
シリーズ15作目。昭和ゴジラは今作で一度、幕を閉じる。
特撮はメカゴジラIIとチタノザウルスが横須賀を襲撃するシーンにかなり力を入れている(爆発に使用する火薬量を間違えただけと言う噂もある)が、今回は川北紘一が参加していないせいか、前作『ゴジラ対メカゴジラ』ほど光線を発射せず、パワフルさはやや劣る。メカゴジラの全砲一斉射撃シーンは前作からの流用なので突然、メカゴジラIIが1号機になるのはご愛敬だ。

ストーリー(脚本)は1作目の『ゴジラ』(1954年)以来のシリアスドラマなのに、とくに最終作らしい展開はない。ゴジラは侵略者ブラックホール第三惑星人の尖兵、メカゴジラIIとチタノザウルスを倒しに出現するだけである。面白いかどうかは評価の別れるところだ。

だが、復讐のためにチタノザウルスを操る真船博士(平田昭彦)はまさに第1作目でゴジラを倒し自決した芹沢博士(平田昭彦)のダークサイドとも言うべき存在であり、メカゴジラを倒すため自決するサイボーグ少女、桂は芹沢博士の最期と重なり、ゴジラシリーズを見事に終わらせたと言う解釈もできる。

とにかく監督:本多猪四郎、音楽:伊福部昭、博士役:平田昭彦と言う布陣は昭和ゴジラ最終作にふさわしい重厚さを醸し出していることは間違いない。懐かしさで大オマケして4.0(←ええっ!)。

今作は激戦にかろうじて勝利し、海を渡って去っていくゴジラに哀しげな伊福部サウンドがかかって幕を閉じる。それは昭和ゴジラシリーズ、いや第二次怪獣ブームの終焉でもあった(TVのウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズも同時期に終了している)。
当時、劇場で観た私は今作が最終作とは知らなかったが、子供ながらこのラストになぜか一抹の淋しさを覚えたものだ。
その9年後にゴジラシリーズは復活し、2017年現在では31本を数え、DVD、BDなどでいつでも鑑賞できる。だが、この『メカゴジラの逆襲』のラストにシリーズ終了の切なさを感じ取れるのはゴジラ冬眠の時代(1976年~1983年)を過ごした者たちだけなのだ。

と、矮小な優越感を抱くオレさま(笑)