役者陣の演技は良いと思う。ウルヴァリン役のヒュージャックマンは印象的だし、特にプロフェッサーX役のパトリック・スチュワートとマグニートー役のイアン・マッケランというベテラン俳優2人による演技合戦は見応えがあるし、物語に深みと説得力を与えている。ただチーム物にしては一人一人のキャラクターの掘り下げが足らず、キャラが無造作に置かれてる感が否めない。原作は公民権運動やマイノリティに対する差別の問題が色濃く反映された社会派な漫画として人気があって、本作もそのテーマ性を打ち出してはいるんだけど、味方は美男美女揃いで敵側は明らかに醜く描かれていて、こういうあからさまな美醜の対比はそのテーマ性をかなり損なってしまっているんじゃないかと思う。あと場面の繋ぎ方が若干不自然に感じるところがいくつもあって、編集があんまり上手くないと思った。