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X-メンの教授のレビュー・感想・評価

X-メン(2000年製作の映画)
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知識って必要だなぁと思ったのは。
先日観たガス・ヴァン・サントの「ミルク」と同じことが描かれていたこと。

映画冒頭の「ミュータント登録制度」とは他ならぬ「条例6」を表している。

で。どことなく性的なモチーフとかメタファーとか。ハードなアクションSFの物語の展開の中に散りばめられていて。
ローグ(アンナ・パキン)がキスした相手が死んだけど感触は身体に残ってるだの、とか、最後のウルヴァリンの抱擁において、不死身の彼がようやく死ねる的な安らぎを一瞬垣間見たりとか、エモい部分はとても良かった。

ただ、X-MENってやっぱりアベンジャーズのみんなと違って、人目を忍んでの、世の中ではこんなことが起こってて、実は裏では的な表立った何かではない感じを期待してたのだけど、なかなかド派手だったり大っぴらだったりもしていてそこは残念だなぁということと。
色んな意味で「カミングアウト」ができていないのか、それぞれの描写が「装っている」感じがしてもったいなかった。
メタファー的な描き方はもっともっと入れ込んで行った方が物語はもっとエモーショナルで気持ちよくなると思う。

あとマグニートーはさておいても。セイバー・トゥースやミスティークとか、これは原作の問題があるけれど、悪役がいかにも悪役で、X-MENはなんかキレイな感じで違和感があった。

更に、ラスト近くでサイクロプスが撃つのを、ジーン・グレイが待て、って言うけどあれ、待った意味あるの?実際撃ったし、結果、撃って良かったじゃん?という謎の描写があるのは醒めた。

充分面白かったのだけど、全体的に普通というか。やっぱりなんか味がしないなぁというか。ヒーロー物としてはどことなく淡々としていて薄味の印象が強かった。
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