ピッコロ

インファナル・アフェアIII 終極無間のピッコロのレビュー・感想・評価

4.0
人生最高の日

無間道三部作完結編。
これを観ないと、無間地獄は完成しない。
それは、絶え間なく続き、終わりがない・・・。

ラウは残りの潜入マフィアを次々と始末していく。そんな彼の前に保安部のヨンが立ちはだかる。ラウは、ヨンに対し潜入マフィアではないかとの疑いを抱き調査を開始する。そこにシェンという謎の人物が絡んできて。

前2作と比べて、かなり複雑な構成となっている。過去と現在を繰り返すストーリー展開。これだけなら大して問題ではない。ややこしいのは現実か妄想かわからないこと。壊れたものが壊れてなかったり、他人になりきってたりとかなり難解である。正直、1回観ただけじゃ理解はできない。
なぜ、こんな複雑な展開にしてるのか。それは、ラウの精神状態がおかしくなってるからだ。観客もラウと同じ精神状態を体験するかのように作られている。

悪のラウは、正義に生まれ変わりたい。
その思いは、ヤンになりたいに変わっていき最終的に自分のことをヤンだと錯覚するようになる。どうしても変えられない悪という現実。それが妄想、または夢想によって生まれ変わろうと苦悩していく。それは永遠に終わりのない地獄。絶え間なく続き、責め苦にあう彼が辿る運命は・・・。
その衝撃的な結末に何を思うだろうか。

この映画一番の見どころ、トニー・レオンとびっきりのニッコリスマイルもお見逃しなく。

警察学校を退学した日。
一人は憧れ、一人は受け継ぎ、一人はたくし去っていく。
あの日、あの場所にいた彼ら。それは運命だったのだろうか。
それとも、何かの始まりだったのだろうか・・・・。

そして人生最高の日。
自分の正体を知ってる者たちとの些細なひと時。
信頼できる仲間たちと笑いあったあの日。
ヤンにとって、少しだけど安息の日だったに違いない。

物語が永遠とループする憎いラストシーン。
無間地獄に終わりはない。
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