matchypotter

インファナル・アフェアIII 終極無間のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.9
3部作完結『インファナルアフェア 終極無間』。
話としては1と2の間の話を1の後で追う、みたいな話。

1では1対1の“潜入”同士のガチンコサスペンス。
2ではそこまでの事の発端のサム達マフィアがテッペンに登り詰めるまでのいざこざと香港警察との折衝。

この3では1のガチンコの前で実は出会っていて、すでに鍔迫り合いが始まっていて、1で事切れてしまったヤンの存在感が際立つ。

そして、1で「善人になる道」を選んだラウがその後、警察内の不穏な動きと自らの過去の精算をするために暗躍するが、、、。

2ではナリを潜めたアンディラウとトニーレオンが存分に出てくる。ホントカッコいい。やっぱり存在感が違う。

この2人が背負ってるものと見ているもの。そして、目指しているものと絶対に譲らないもの。
これが最後の最後でぶつかる感じ。

マフィアに潜入して幹部になり、ボスのサムに信頼されたりあらぬ扱いを受けても、自分は警察だという揺るぎない信念を持つヤン。

一方で、警察に侵入し、サムに情報を流していたが、やがて自分も警察側で善人になることを目指し励むラウ。

そこがこの作品の無情なところと言うか、3で善人を目指すことを誓って、真面目に警察内の不穏な動きの黒幕を暴こうとするものの、自分の後ろめたさがチラつき、どうしても善人になるために隠蔽が頭をよぎる。

一生懸命なんだけど、運命は変えられない。
必死に過去から脱却しようとするが自分のルーツは変えられない。
それが、最後に巡り巡ってくる。

そんな、変えがたい、抗えない過去と宿命がぶつかる。なんとも言い難いズシっとした重み。

「運命は人を変えるが、人は運命を変えられない。」

あの本土の売人が実の正体も含めてなかなか良い。
そして、警察内部の不穏な動きの起点ヨン。
この2人と、まさかヤンがそんなことになってるっていう衝撃。
その繋がりが表から見るとそうなり、ラウが疑い始めてやがてラウ自体が追い詰められる。

1〜3で誰がどこで何を思って何してたかを考えるとドえらい話だ。
1と2の間から1と2を背負って、1の後日談とリンクするこの展開。全てがここに凝縮、終結。

今更1と2の間の話でどうするのかと思いきや、驚くべき総括をしてきた3。
やはりこの3部作は3作観て初めて完結だわ。

「あいにく、俺は警官だ。」
このラウにのしかかる3人からのセリフ。
呪いのような、決意のような、信念のような。
この重み、ハンパない。
matchypotter

matchypotter