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E.T.のkarmapoliceのレビュー・感想・評価

E.T.(1982年製作の映画)
4.0
E.T. The Extra-Terrestrial:スティーヴン・スピルバーグ監督、製作、メリッサ・マシスン脚本、ディー・ウォレス、ヘンリー・トーマス、ピーター・コヨーテ出演、ジョン・ウィリアムズ音楽、アレン・ダヴィオー撮影、デニス・ミューレン:(ILM)SFX、1982年作品。

カリフォルニアのとある森の中。球型宇宙船が不時着し、数体の宇宙人が現れた。彼らの目的は地球上の植物をサンプル収集すること。そこに政府職員が駆けつけると、宇宙人たちは船に戻って飛び発ってしまう。しかし1体だけが地上に取り残されてしまった・・・・。最初は「未知との遭遇」の続編として考案されたらしいが別作品。

かなり久しぶりの再鑑賞。童心に一気に戻れるかなと言う思いもあったが、わりと冷静に観てしまった。物語の子供対大人の構図とか好みなのだけどな・・・などと思いながら、森や街中の広々とした空間や奥行が気持ちいいなと思いながら観ていた。好きなのはやはり自転車が飛ぶシーン、子供たちは自転車を漕いで大空を進んでいく。ジョン・ウィリアムズの音楽が流れる。そして月と重なりあのシルエットが映る。気分が上がる上がる(笑)今やこの作品だけの象徴ではないだろう。しかしこの発想は素晴し過ぎる。

少し調べたが自転車が飛ぶ映画は他には、空の浮遊を十八番にしている宮崎駿監督の「魔女の宅急便」くらいしか無さそうだ。あれも前にプロペラが付いていたし、翼もプロペラもなしで自転車が飛ぶイメージはこの映画しかない。自動車は時々飛ぶ映像を観るけど、自転車は意外と画になり難いのかも知れないな・・・・。本作で空を飛んだBMX用の自転車は全て日本製。大阪府にあるKUWAHARA BIKE WORKS(公開当時は桑原商会)という会社の製品らしい。

スピルバーグ監督はE.T.のデザインを視覚効果を務めたカルロ・ランバルディにアルバート・アインシュタイン、アーネスト・ヘミングウェイ、カール・サンドバーグらの晩年の写真を見せながら「E.T.の目を、この3人と同じくらい不真面目で賢く、哀しげに作れないかな」と語り、「落ち着きのない目」というコンセプトを元に製作されたらしい。目がやたらと印象深いのはその為だったのかと思わされる。

観どころは沢山あるが、やはり空間デザインの秀逸さに惹かれた。個人的に時々使うこのキーワードだけど、やはり広がりと奥行を贅沢に感じる空間を自転車が浮遊する姿は、劇場や大画面で観たいと思うに違いない。
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