方眼

E.T.の方眼のレビュー・感想・評価

E.T.(1982年製作の映画)
5.0
1982年”E.T. The Extra-Terrestrial”。登場から弱ってしまうまでETの全身はなかなか見えなく、赤いおなか、足跡、指、横顔、シルエットなど、前半は夜のシーンが多いこともあって部分的。宇宙人襲来のホラー演出の入り口に少し入るが、監督は周到に寸止めを繰り返す。エリオットが最初にETを発見し、そのあと兄マイケル、妹ガーティ、母、友人たちの順で驚く顔を見せる。父不在をエリオットが言い出し、妹が”サラとメキシコ”と言ってしまう。これ母がガーティに言うはずもなく、聞いたあとの母の間と兄の間合いで、見てないふりをしていた件が子供たちだけで会話されていることがお互い判ってしまう気まずさ。そのあと、エリオットの学校には母は自分で夫不在のことを電話で話す。後半、BMXが出てきて、カメラも横移動、躍動感がイッキに出る。公開時は特撮やET造形が話題になったが、どう演出するか、何を採用するかの監督判断の的確さが十分評価されてなかった。子供の感情のとおり順撮り。本当にいいタイミングで妹のセリフ。本物の医師団、鍵やパトカーはオトナの怖さを表現。音楽のエモーションを優先しクライマックスは再編集。普通にエピローグがあっても良い脚本ながら、エリオットの顔でバシっと終わらせる演出。ETの前にET無し。
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