菩薩

鳥の歌の菩薩のレビュー・感想・評価

鳥の歌(1995年製作の映画)
3.9
明らかに予算規模の0が1個増えたろ?ってくらい突如としてしっかりとしたつくりに、かつゴリゴリ職業俳優起用してる、なんせジェラルディン・チャップリン出てるし、監督役(?)誰か知らんけど風貌がキューブリックに似てる。山奥の村に映画撮影に来たクルー達、彼等にとってこの地は手頃なオープンセットで村人は体のいいエキストラくらいの認識、そんな態度が劇中劇のかつての征服者達の姿と同化し軋轢が生じていく。西洋人に対してのインディオは明らかな劣等種、そんな誤った認識、遂には排斥運動が起きるくらい衝突は決定的な物となるが、そこまで行って初めて対話が生まれていく。結局彼等が一番撮りたかった画は撮れず音も聞こえず、文明に染まり切ったが故に失った人間性を突きつけられる事になるが、最後には希望を含ませた落とし方、それはきっと監督自身の理想像なのだろう。
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