Yutaka

サンライズのYutakaのレビュー・感想・評価

サンライズ(1927年製作の映画)
4.4
ドイツ表現主義を代表するムルナウによる不朽の名作。まだそんなにサイレント映画を見た事が無いので不安だったがめちゃくちゃ良かった。
まず何と言っても映像の凄さ。これがドイツ表現主義か、と思い知らされる耽美的な映像の数々。特に森の中でのシークエンスは幻想的で、女の存在が男に囁きかける悪魔のメタファーのような存在でもあるように感じた。逆に街での撮影は祝祭的でこっちの方向でもいけるのがすごい。
プロットもいきなりおどろおどろしい展開から始まるが、途中からスクリューボールっぽい感じになる。その後も悲劇が訪れるが、最終的にはハッピーエンドで、分かりやすい起承転結となっている。個人的には起と転が好きだが、温度が違う承も楽しめる。
およそ100年前の映画だが、今見ても色褪せないのは凄すぎた。
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