ヨウ

サンライズのヨウのレビュー・感想・評価

サンライズ(1927年製作の映画)
4.7
大学図書館のavルームにて、伝説的傑作を鑑賞。
余りにも素晴らしすぎて言葉にならない。
こりゃ非の打ちどころがないよ。
『裁かるゝジャンヌ』を観た時も感じたけど、100年近く前にこれほど完璧な映画を撮られちゃ何も敵わんよ。
我が大学よ、観させてくれてありがとう。

ストーリーは極めて単純明快。
主な登場人物は避暑地に居を構える夫婦と都会の誘惑女の3人。
バカな夫が都会の女にゾッコン。自分の家族はほったらかし。危うく妻を殺しかけた。都会に逃げる妻。追いかける夫。道中夫が悔い改め再び夫婦円満に。再び訪れる幸福の時間。楽しげな雰囲気に夫婦共々心踊るがとんでもない波乱が2人に待ち受ける。しかし最後には日が昇ってハッピーエンド。
ほんとにこれだけ。笑

なんだ、ありきたりな話じゃん。
って思うじゃん?

観てみな、とぶぞ。

ほんとに面白いんだなこれが。物語への引きつけ方が上手すぎるんだわ。何故なのかはよく分からないけど、次はどうなる?次はどうなる?ってずっと手に汗握っちゃった。無声映画なのにここまで物語の中に入り込ませるとは天才としか言いようがない。とある道具が前半と後半で全く意味の違ったものになる展開もよくできたプロットだなぁと。こういう些細な仕掛けがフックとなって観る者を虜にするんだろうね。100年も昔にようやるわほんとに。

男はただのバカ野郎だけど、この妻が最高に健気で最高に可愛いのよね…大好きすぎてやばい…ほんとこういう素敵な女性と巡り会って結婚したいなって惚れ惚れしちゃったよ。都会のよう分からん女に骨抜きにされた夫はこんな最高な奥さんを傷つけてマジで何やってんだって話よ。今も昔も男はどうしようもない生き物だという証明にもなっているね笑

シンプルかつ魅力的な物語、前衛的で美しい芸術性、これだけで世界に数多眠る映画たちを圧倒的に凌駕する出来なのよね。ほんとにこれは一度観ればその凄さが分かると思う。配信やレンタルにはないのがなかなか痛い話よね… マジでこれ午前10時の映画祭とかで定期的に上映してくれないかな。切に願うわ。
ヨウ

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