空海花

ファントム・オブ・パラダイスの空海花のレビュー・感想・評価

4.3
ブライアン・デ・パルマ監督のカルト映画の傑作。

「オペラ座の怪人」「ファウスト」「ドリアン・グレイの肖像」などを基に
デパルマがオリジナリティ溢れる筆致で描き上げたロック・ミュージカル。

面喰らうような異様な画面の数々。
怪奇な仮面姿などアート的な造形と映像。
盛り込まれる要素は多すぎて語り尽くせない。
悲劇と喜劇、愛とホラーな展開が猛烈なスピード感で進んでいく。
この絶妙な絡み合いとバランスが、脳に焼きつくようなカルト作に仕上がっているのだと思う。

冒頭から踊り狂い、終盤まで楽しませてくれる“ジューシー・フルーツ”…(続く笑)
それに取って代わるビーフ(ゲリット・グリアム)のクセの強いキャラと歌が最高。
ロックオペラでロックの歴史感もある。
ロックとパンクの境目のような70年代。

ヌーヴェルヴァーグの影響を残しつつ
デパルマ的技巧が光る実験的映像。
楽譜と蝋燭、フェニックスとピアノの物が語るシーン。
ウィンスローのファントムの誕生と復讐の画面分割。
監視カメラを使った覗きを覗く覗き。
覗いて泣き叫び、覗いてニヤける。

主人公ウィンスロー演じるウィリアム・フィンレイの出世作でもある。
悲哀感漂いまくりと眼力との迫真の演技。
フェニックスはジェシカ・ハーパー。可愛くて、歌もうまい!でもこれと「サスペリア」の印象が強すぎる(笑)
彼女の謎ダンスが謎!(笑)
そして何よりすごいのが悪魔の如きスワン演じるポール・ウィリアムズの怪演と名曲たち。
劇中の曲も彼が提供。彼自身が歌っている曲もあり。
(ちなみにビーフが歌う「Life at Last」はレイ・ケネディによる吹き替え)

クライマックスの舞台場面の迫力と音楽
デパルマの愛(とオマージュ)は必見。


自宅鑑賞No.45/154


といっても好みは分かれますよね(笑)
U-NEXT配信20日明日まで🔜なので鑑賞。
久々に観た😆
…みんながプロムを観ている時に(笑)
空海花

空海花