Itotty

ファントム・オブ・パラダイスのItottyのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

シネマツー極音上映にて。
自分が生まれるより前の映画を映画館で見るのは初めてだったので、いつもと違うドキドキがありましたが、、、面白かったです!
まず何より74年の映画をこんなに綺麗な映像でクリアで迫力のあるサウンドで見ることができたことに感動しました!スタッフの皆様の努力と技術に感動です。



ロック版オペラ座の怪人というフレーズ以外は全く予備知識なしだったんですが、、
個人的に一言感想をつけるなら、ミュージカル版マッドマックスでした!


100分未満の上映時間でも展開は多く、あまりにテンポよく物語をカットしてるので、理解が追いついていない部分もあります。
その上で強く残った印象は、パラダイスという劇場を舞台にでてくる人たちの狂喜乱舞。
ただ、ここが実にロックミュージカルに描かれていて心地よかったです!


裏切られても自身の音楽の完成と愛を貫くウィンスローも、
不老不死によって何でもできる故、パラダイス劇場を本当に好き勝手に動かしていくスワンも、
自身の歌の力で成功するつもりがだんだんと芸能界の闇にはまっていくフェニックスも(この方だけは素敵な歌声だけで終わって欲しかった)、
劇場で人が死んでもエンターテインメントとして熱狂する観客も、
こんな舞台を面白おかしく撮影しているデパルマさんも、
みんなぶっとんでます。


ウィンスローの生涯はあまりにも苦しいし切ないけど、もしかしたらこのダークな世界で自分の命を音楽に捧げきったという意味では幸せだったのでは?とさえ感じます。騙されたとはいえ、最後は自らスワンと契約したんですから。
自分で自分の人生を生きたと思いました。

音楽はじめ芸術は、自分の何かを表現するものであり、人と違う部分があるのは当然。
共感もあれば、異質さクレイジーさも。
そして、それを貫くところには、誰かにやらされているということではなく、自らの意思で切り拓く姿勢がある。

自分の命の使い方を自らが決めて生き切ることの大切さを学んだ気がします。



と、もしかしたら完全に違う捉え方をしているかもしれませんし、是非これは解説読んで、できればファウストやオペラ座の怪人も読んで再挑戦してみたいです。
とりわけ音楽も印象的なものが多くてまた聞いてみたいのですが、歌詞の1つ1つまで理解が及ばなかったもので。この辺りも是非他の皆様のレビュー見ながら振り返ってみたいなと思いました。
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