恩

マンディンゴの恩のレビュー・感想・評価

マンディンゴ(1975年製作の映画)
3.5
主人公は多少なりとも奴隷に同情したり、愛情を持って接する白人として描かれているが、根本的には他の白人同様レイシストであり、見るに堪えない残虐さを見せて終わる。奴隷制時代の南部社会の暗部をこれでもかと描いた良作。ただ女性キャラクター、特に主人公の妻の描き方はかなり性差別的だと思った。人種という面で見ればかなり真剣に考えて作られた事が見て取れるだけにその点は残念。さらに主人公は片足が不自由であり、白人ではあるがアビリティという観点で見ればマイノリティでもある。彼が階段を上り下りするところを省略せずに映すのとかはそれを意図的に強調しているようにも見える。人種、ジェンダー、障がいという三つの要素が物語の中に複雑に織り合わせられていて、ここらへんを掘り下げて見ると色々と面白いのではないかと思った。
恩