アタラクシアの猫

エトワールのアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

エトワール(2000年製作の映画)
3.7
フランスのオペラ座。バレリーナのドキュメント。
良く言えば全てを投げ捨てて精進・鍛錬を怠らずエトワールを目指して努力を惜しまないプロ根性。
悪く言うと仲間を蹴り落とすのに必死な弱肉強食のプロ集団。

歌舞伎でもクラシック音楽でも相撲でも、古典的な物は狭き門だけどバレエ界は群を抜いて象牙化してる印象。

透徹したヒエラルキーが、そこにはある。
(カッコ)内は相撲の序列に例えてみた。
上から
エトワール(横綱)
プルミエ(三役)
スジェ(幕内)
コリフェ(十両)
カドリーユ(序二段)

あ、逆に分かりにくい?(笑)

序二段のカドリーユが月給26万円に対してエトワールは月給70万円。

踊り手の技術の差異、階級はエスプリに寄るものか?
ある者は母になりたいと望み、
ある者は出産で身体が崩れるのを恐れる。

ある者は孤独な仕事と言い、
ある者は集団の中の群舞なので孤独ではない!と明言する。
そう言う意識的な乖離が面白い所でも有り、踊り手に等級と言う区別と差別を与える由縁なのかも知れない。

上位の者は、より美しく観客を魅了しようと努力の方向性がパブリック。
下位の者は、自己追求に終始していて、努力の方向性が散逸してる。

私の様な門外漢が、ほんの数分、彼らのインタビューの端切れを垣間見ただけでは、本当の所は分からない。
でも、このドキュメントは鑑賞者の直截に委ねているので、私のレビューも強ち外れていない、と思う。
2015-11-12