夜空のパンケーキ

三月生れの夜空のパンケーキのレビュー・感想・評価

三月生れ(1958年製作の映画)
4.0
この作品が描いているのは「恋愛」と「結婚」の価値観の違い。
二人の距離の伸び縮みがリアルに描かれた名作だった。
恋愛の時は可愛く見えた性格も、結婚することでだんだん疎ましくなるーー。
人間の性格なんてすぐに変わるわけではないのに、結婚したら性格が欠点に変わるのはなぜだろうか?

まるで三月の天気のようにコロコロと変わる性格の女性が中年男性と恋に落ち結婚するが、次第にその性格が仇となり亀裂が入り始める…。

二人の間に足りないのは「話し合うこと」。
いつも惰性で仲を取りもってきた…まるでミスチルの『渇いたkiss』のように。

生温い空気がベッドに沈黙を連れてくる
もううんざりしてるのは僕だって気付いてる
君が最後の答えを口にしてしまう前に
渇いたキスで塞いでしまう
それでなんとか今をしのげればいいのに

別れたくないのは薄っぺらいプライド?
でもやっぱりそのズレが溜まりに溜まり大きな亀裂が生まれ始める。
そのズレを埋めるためにまた嘘で偽りで固めていく。
そんな二人が選んだラストはアリのような気もするし、別の終わり方もありかも知れない。

一つツッコミたくなったのは、バーテンダーがゴリラ型の人形持ってきて「日本のゴジラです」って言うんですが、それ完全にキングコングの間違いやろ!って。