2回目
狼として生きて、そしてこれからもそのようにしか生きられない男の孤独。
忘れていた暖かさに触れてしまったが故に、自らが狼であり、そして決して人間に戻れないことに気づいてしまった、その時の彼の絶望は想像もつかない。
気づいたからこそ、最後には彼女を殺さねばならなかった。自分の手で終わらさなければならなかった。少女を殺せなかった時の彼には、まだ、狼と呼ばれることの意味はわかっていなかったのだろう。ずっと気づかないでいられたらよかったのにね。
フセ自身、「狼」と呼ばれることの本当の意味に気づかないまま、その役を演じさせられてしまったのがより一層悲劇的だな。騙し合いが1つの見所だったこの作品の中で、1番最後まで騙されていたのは彼だった。最後の苦悶の表情が彼の虚しさを物語ってる。
屋上のシーン好きだなぁ。男の子なら、誰しも昔はああいう妄想したんじゃないかなぁ。プロテクト・ギアのデザインかっこよすぎるし、あと、エンディングの曲がいいね。全体を通して「押井守」が前面に押し出されていて、最高だったな。