あでゆ

[リミット]のあでゆのレビュー・感想・評価

[リミット](2010年製作の映画)
1.8
イラクで民間トラックドライバーとして働くポールは、何者かに襲われ、ひつぎと共に土の中に埋められてしまう。やがて意識を取り戻したポールは、手元に携帯電話、ライター、ナイフ、ペン、酒があることを知るが、残された空気から推測してタイムリミットが後90分前後ということに気が付く。

90分間全く同じ絵面でキャストも一人なのに飽きずに見れるということでまずは良い映画。

本作では退屈しないように様々な趣向が凝られている。
例えば、棺という密室の中で効果的に用いられるアイテムの1つに光源がある。本作では場面が進むにつれて主人公の使う光源は変化していく。初めは「無」、真っ暗だ。状況を理解すると主人公はライターを手に入れる。そこから携帯のライト、懐中電灯のように状況が進むに連れて用いられる光源は変化する。希望を持つことができると高度な光源に移り変わる一方で、状況が悪くなるとライターに逆戻りする。まさに希望の「光」を示しているのだ。

またカメラワークについても素晴らしい。00:30時点での過剰に迫っていくズームであったり、1:14時点でのカメラが棺の上に引いて主人公が遠のいていくアングルなど、1つの空間の中でもいろいろな表現がされていておもしろい。

ただまあ、そもそもこういう映画の満点自体がどうがんばっても僕の中で多分低い。ストーリーに関しても特に意外性は無いし。例えば主人公が何かを電話する際に偽っていて、その嘘が視聴者にも隠されており、あとで発覚して主人公の立場がどんどん変化していくみたいな展開が合ってもいいのではないか。
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