ゴジラに続く本多猪四郎の名作。ラドンは後にゴジラシリーズにも登場するので、ゴジラシリーズ全制覇目指すなら早めに観ておきましょう(ストーリー的に観なきゃいけないわけじゃないけれど気持ち的に)。前半は特撮映画であることを忘れそうなサスペンスフルな展開で面白いけれど、巨大ヤゴの無茶したクオリティに辟易(現実にあれが現れたら色んな意味で恐怖しかないだろうけれど)。やっとやっと本命ラドンの登場で一安心。実はラストのあのシーンがなかったら名作と言われることもなかったのでは？と思わなくもないけれど、世界の特撮史に残るあのラストだけでも見る価値は十二分にあるし、あれのお陰でラドン大好きと言えているので、やっぱり偶然の力って凄いな(ピアノ線が熱で切れて偶然生まれたシーンというのはあまりにも有名なはなし。オタクの間では)。やっぱり怪獣映画って、怪獣に生命としての美しさが見られて初めて名作たりえるんだよな。だからギャレス・エドワーズのモンスターズで得られた感動はラドンのラストの感動と重なってみえたんだな。偶然生まれたシーンとは言え、それをちゃんと作品として纏めたのは作り手の力なので、名作って出来る過程に偶然の作用があっても偶然に出来るものではないんだよなとも思ったりします。もちろん伊福部昭の音楽も重要。ストーリーはまぁ普通ですよね。
