抑圧された静と暴力、そして純愛。
昼間は映画のスタントマン、夜は強盗犯の逃亡を幇助するドライバーを請け負う一人の男。
男は同じマンションに住むシングルマザーと親しくなり、恋に落ちる。
程なくして彼女の夫が出所してくるが、刑務所内で借金を作っていたことが発覚。
男は手助けをしようと試みるも、その先で裏社会の争いに巻き込まれていく。
ライアン・ゴズリングが寡黙な天才ドライバーを演じるバイオレンス・スリラー。
全体的にトーンが抑えられているが、スタイリッシュな音楽と恋愛、アクション、そしてバイオレンスが堪能できる。
エレベーター内での純愛から暴力への転換は、感情を表に出さない男の恐ろしさが感じられ、とても印象に残った。
極限まで削ぎ落とされたストーリーとトーンで映画らしい興奮がほぼない中、行きすぎた暴力とスタイリッシュなカーアクションはしっかり描かれているという独特な雰囲気を持った作品だと思う。