中庭

ドライヴの中庭のネタバレレビュー・内容・結末

ドライヴ(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

【再鑑賞】
車内という極端にスペースを制限された空間において、ニコラス・ウィンディング=レフンはカメラをほとんど車外に配置することなく運転シーンの数々を撮り上げている。それは主に運転手の表情をとらえる下からの構図とやや上からの構図、後部座席の乗客の顔を並列に撮る構図、手元をおさえる構図の3パターンで、車内での乱闘は無い。最小限の的確な切り返しを用いて構成された序盤の逃走シーンの上手さは他ではなかなか見られないものだ。
入射角を絶妙に操作しているのか、その斜光が入るのを気長に待って切り取っているのか定かではないが、運転時のライアン・ゴズリングが懸想に耽ったり問題解決の糸口を探して遠くを見つめると、フロントガラスの向こうを見つめる彼の目だけを照らす細い光線がしばしば差し込む。
シャノンの手首を走る血管を裏社会の権力者バーニー・ローズが愛用のカミソリで切り開くまでの間合いと血液の量、黒さなどの作り込みも素晴らしい。
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