リッキー

ドライヴのリッキーのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
4.2
945本目。190204
タイトルを見て、久しぶりのカーチェイス作品と思い本作品を選択しましたが、車の要素は小道具に過ぎず、裏社会に生きる男達を描いたバイオレンス作品でした。

主人公の何かとんでもない過去がありそうなプロの逃がし屋をライアン·ゴンザレスが演じています。日中は自動車整備工場に整備士として勤務し、副業で映画のカースタントをこなしているが、本職はドライブテクニックを駆使した、プロの逃がし屋という得体の知れない謎の物静かな男です。そんな彼が偶然遭遇した隣家の人妻(キャリー・マリガン)に想いを寄せて、その人妻の家庭を守るためにある事件に関与することとなります。その事件とは…

この映画は台詞が全体的に少なく、私はとても楽しめました。
普段映画は字幕で鑑賞しているせいか、台詞量が多いと役者の演技に集中することができないため、このぐらいの台詞量が丁度よく、台詞の言い回しも私好みです。台詞が少ない分、演技によって心情が表現されていることを発見できて、楽しみが増えます。
ライアン・ゴズリングの寡黙ながら、たまに見せる微笑みがたまらなく魅力的に映ります。

全体的なイメージですが、北野武監督の作品にとても近い印象を持ちました。必要最低限の台詞で、「間」を大事にしており、 メッセージ性がありました。好きになった女性を(明らかに脈ありなのに)奪うのではなく、その家族ごと守ろうとするというのは、日本的な男の美学のように感じました。

主人公はどんなピンチにおいても、冷静で慌てることなく窮地を脱しています。銃の使い方にも慣れていますが、敵に対して銃を積極的に使用することもなく、直観的にひらめいた方法で応戦しているように見えました。このように只者ではない感を匂わせ、守られる彼女としては全幅の信頼ができる一方、突然爆発した凶暴性に底知れぬ恐怖を感じたことでしょう。
ラストはドライブシーンで幕を閉じていますが、続編も十分ありそうですね、
リッキー

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