ぱぷり

さらば、わが愛 覇王別姫のぱぷりのレビュー・感想・評価

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)
4.7
観て本当に良かった。
中国には凄い監督がいるのですね。
彼の勇気と覚悟と贖罪と情熱がほとばしった傑作でした。
自国で上映できたのでしょうか?
そして、今は亡きレスリー・チャンのオーラが半端無い。

中国の近代のお勉強にもなりましたね。
日中戦争から文革への流れや、一種の集団ヒステリーのような普通の人々の狂気。
中国人は時代に翻弄され続けて、アイデンティティ壊れませんか?
人を心から信用出来るのでしょうか?

憎き日本軍の筈なのにややもすると、自国の軍隊の方がお行儀が悪く描かれているのは何故でしょう?

京劇の養成所の児童虐待のようなシゴキを、これでもかと見せ続けるのは何故でしょう?

一流の京劇スターの芝居を目の前で見た少年の「彼はここまで来るのに何度殴られたのだろう」と言うつぶやき。その後の彼の行い。

ひたむきに京劇に生き、スター故に幾多の辛苦に見舞われても報われない蝶衣。虞姫として生き、虞姫で終わることが彼の人生だった。
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