このレビューはネタバレを含みます
過激な映画制作テロ集団を描いた作品。
主人公セシル・Bの中二病なキャラクターは面白かったですね。
「メジャー映画はクソ!アングラ映画こそ正義!」みたいな、分かり易い反権力志向で、アジテーションも上手く、若い時に見たら影響を受けていたかもしれません。
彼の仲間となるキャラクターもそれぞれ個性的で良かったし、アクション映画ファンとポルノ映画ファンが連帯する場面も笑ったな~。
若手時代のマイケル・シャノンとマギー・ジレンホールを見れたのも嬉しかったです。
個人的にちょっと惜しく感じたのは、ツッコミ役が不在な事でしょうか。
セシル・Bの事を中途半端にカッコ良く、もしくはダサく描いているので、笑っていいのか、シリアスに見るべきか、迷う場面がありました。
ツッコミ役というか、相対化させる事によって、コメディーとして見易くなったと思うし、「アングラ映画もアングラ映画でクソだよね!」という視点が加われば、より映画に深みが生まれた事でしょう。
正直、メジャー映画もインディー映画も区別なく見ている自分としては、あまりセシル・Bの思想には乗れなかったし、映画産業自体が衰退しつつある現代では、メジャー映画を仮想敵扱いする感覚も大分薄まりつつあると感じます。
もしも、今の時代にセシル・Bがいたら、YouTubeやTikTokを敵視し、人々のスマホを破壊するのかもしれませんね。