シャマラン作品の見方が少し分かってきた気がする。
どうしても謎解きやどんでん返しを期待してしまうが、本来言いたい事は別にあり、それを受け止められるかどうかで、彼の作品への評価は大きく変わってくると思う。
シャマランへの先入観は捨てなければならない。
今尚私たちに強い影響力を発揮している、
「シックスセンスが与えたトラウマ」の大きさは本当に計り知れない。
前二作(アンブレイカブルとサイン)ではシャマラン作品への先入観の大きさ故か、正直微妙な印象を受けてしまい、今作も見る気を無くしていた。
だが結果として今作は観て良かった。
世界観の作り込みと人物の描き方が丁寧でとても良かったし、ストーリー構成も巧みだったと思う。
その点が前述した先入観を抜かして観ると余計に顕著に感じられた。
ストーリーの着地点は途中なんとなく想像がつくが、それ故どんでん返しに頼らず上手にまとめ上げておりストーリーを最後まで楽しめた。
主演のブライスダラスハワードとホアキンフェニックスも難しい役どころを好演し、脇を固めるキャスト陣の演技も丁寧で物語に没入できとても良かった。
こういう世界観をきっちり丁寧に描くタイプの作品こそがシャマランの真骨頂なのではないか。
深い森に囲まれ隔離された村での、決まりとその理由、それが破られる理由とその先にあるもの。
好き嫌いは分かれるかもしれないけど、自分は好きな作品です。