シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

ジョンとメリーのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

ジョンとメリー(1969年製作の映画)
3.9
ダスティン・ホフマンとミア・ファローが主演。身体から始まる純愛といった風情のある恋愛話で、オリジナル予告編で「あなたのお母さんのラブストーリーとは違う」と喧伝される、当時としては「ナウい」恋愛を描く。
といっても、全ての時代の最先端が、未来においては普通になっているように、我々が今この話を見たときには、特段このカップルが過激だとは思えないだろう。
むしろグズグズしていて、相対的には内気なカップルに見える。ここが実はポイントなのだろう。
最先端の風俗や行動様式に身を浸していても、人間は恋愛には臆病で、おずおずとし、相手の気持ちを簡単には計りかねる。外側から見る、セックス先行の恋愛にも、内気なる男女の遅疑逡巡が潜んでいる。ということを丁寧に描いているから面白い。時代を超えた普遍性がある。人間と男女の複雑さがある。
ステロタイプに物を見ないというのはこういうことなのだな。