安堵霊タラコフスキー

灰とダイヤモンドの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
4.9
長編デビュー作の世代から続く抵抗三部作の最終作にしてアンジェイ・ワイダの代表作。

ここに来てワイダの演出力と描写力が成熟したという印象で、前半は地下水道と比べると地味なのに展開のさせ方や描写が巧みなおかげか見入ってしまうし、後半になると廃教会の情景とかあの名シーンのような忘れ難い場面が多くあり、ラストも含めその素晴らしくも切ない映像は見る度堪らなくなる。

次作の夜の終わりに同様、基本的に描かれているのが一夜の出来事で、次の日になって締まるのも情緒で良い。

アンジェイ・ワイダはその半世紀以上の長いキャリアで良い作品ばかり作ってきたわけではないけど、この頃の作品は映像的にも演出的にも優れたものばかりだから到底嫌いになれない。