チーズマン

灰とダイヤモンドのチーズマンのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
3.5
午前十時の映画祭にて。

まだ第二次大戦の爪痕が残るポーランドの街と目を奪われるようなカメラアングルだったり白黒のコントラストがやけにかっこよく見える映像の作りに劇場で観て良かったとは思った。
物語の背景など正直ちょっと分かりにくいところもあって、当たり前だけどポーランドの為の映画だよなあと思った。

第二次大戦が終わりに向かう中でナチスドイツからやっと解放されたと思ったら、スターリンのソ連に政治介入されて結局同じような独裁政権下に置かれてしまったポーランド。
反政府ゲリラの若者が主人公の映画なんて普通は共産党政権下の政府の検閲に通らないと思いきや、主人公が体制側に虚しく破れていく様が素晴らしいということで通ったらしい。
どう考えても、気に入らない体制側と過激な反体制側との争いに最初はノリノリだったけど実は己の大事な青春を奪われてしまっていたことにもう引き返せないとこへ来て気付いてしまった主人公の苦悶の叫びに観客は感情移入するに決まっていると思うんだけど体制側だとそうは思わないんだろうかね、それとも検閲する人が無理矢理なんとか理由付けて通してあげてたりしてね。
なんにせよそれで良かったってことで。
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