★ “事故”る奴は…
“不運”と踊っちまったんだよ…
これはアタマを使わない物語ですね。
…って誉め言葉ですよ。
理屈じゃなくて感情で受け止める作品なのです。
喩えるならば“講談社系”。
ヤンマガ…というよりは週刊少年マガジンでしょうか。「!」と画面に大きく表現されないのが不思議なくらいでした(意味が解らない方は『特攻の拓』を読みましょう)。
スープラ、RX-7、シビック…などなど。
日本の自動車が多数出てくるのも良いですね。
レースがゼロヨンなのも豪胆なアメリカに似合っていました(ゲームの『ゼロヨンチャンプ』を思い出してしまったのは秘密です)。
また、冷静に振り返ってみると。
色々と脚本に穴が開いていることに気付くのですが、鑑賞中には気になりません。やはり、漢の物語に必要なのは“熱量”。小さな矛盾点や説明不足なんて溶かしてしまえば良いのです。
それを象徴するのが《ドミニク》。
色々と複雑な立ち位置なのに、爽快で分かりやすい魅力に溢れた男でした。正直なところ、彼の存在感は主人公《オコナー》を食っていたと思います。
でも、それが良かったのでしょう。
主人公が前面に出過ぎていたら、シンプルな物語が更に単純化され、薄味になっていたと思いますからね。やはり、こういう系統の主人公は“狂言回し”であることが重要なのです。
まあ、そんなわけで。
現時点で7本の続編が作られるだけの魅力に溢れていた作品。あまりレース文化に馴染みがないので、少し敷居の高さは感じましたが、良い意味での“アタマの悪さ”がそれを吹き飛ばしてくれました。
ただ、あくまでも個人的な嗜好ですが。
序盤のノリが最高だったので、最後までそれを貫いてほしかったです。勿論、それで評価が下がるわけではないのですが…爆音でズンズンズンッ!だけで良かったと思いました。
To be continued… →→→
『ワイルドスピードX2』