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麦の穂をゆらす風のshinのレビュー・感想・評価

麦の穂をゆらす風(2006年製作の映画)
4.2
キリアン・マーフィ目的で鑑賞
アイルランドの歴史に興味を持つきっかけになった。アイルランドの独立戦争から内戦。面白いぐらいに分かりやすく歴史を知れた。
アイルランド人への非道な暴力による弾圧と支配を進める英軍。
そんな英国からの独立を志し共に戦う義勇軍/仲間。
そんな仲間との内戦。
まさに "今日の友は明日の敵"

戦争ってどれも今の時代に客観的にみれば善悪付くし「あの国は酷かったんだなぁ」なんて鼻くそほじりながら言えるけど、
戦時中なんて善悪綺麗事クソくらえ、それぞれの正義があって守りたいものがあって個々の "善対善" で戦ってるんだよね。
とにかく最後までやるせなさの溢れる重い内容だった。

戦争映画で女性が尋問/拷問される時、女性の髪の毛が刈られるシーンが割とある。
この映画にもそんなシーンがあるけど、なんで女性の髪への拷問はあんなにも心がえぐられるんだろう。
男が爪を剥がされる拷問よりも見ててキツいものがある。
女性にとっての髪の毛って"顔の一部"って認識があるからかな…少なくとも自分はそんな価値観がある。
髪の毛刈られても痛く無いけど心の痛みは爪剥がされるより痛いんじゃないかと思ってしまう。

ハーリングがメタファーになってたり、キリアン・マーフィ含め主要キャストがアイルランド人で固められてたりと作品への拘りを感じる良作だった!
ケン・ローチの作品はこれが初めてだったけどこの1作だけでも素晴らしい監督なのが分かった。
てかキリアン・マーフィはアイルランド人だったんだね
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