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狂い咲きサンダーロードのromioのレビュー・感想・評価

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)
3.5
これはこれで安定感抜群の石井聰亙監督作品。

燃え滾る若さ。ぶつけどころのない憤り。
抑えきれないこの感情を男たちは外の世界に爆発させる。

マッドマックスの世界の頭ないヒャッハー軍団とはまた違う、
常にブチブチっと頭の血管の切れる音が聞こえるような夜露死苦な奴らのこの世界。
とにかく最初で心掴まれて、もうその後どうなるかはお楽しみ!

ただ暴れまわるだけでなく、社会の狭間で生きる男達をしっかり描くところが魅力的。
その上で、なんとなく普通ならケンさんとかに主人公がいきそうなところだが、頭より魂先行型の特攻隊長ジンさんがこの映画の主人公!!

あー、こいつらもうなんなんだよ。何が楽しいだよ。もう絶対勝てないよ。ちょっと大人になろうぜ。という俺の甘っちょろい価値観を吹っ飛ばしてくれる。
ぶっとばせ。ぶち殺せ。マジで殺すぞ。殺すからな。うぉーー!!

それぞれのキャラもいいし、何より熱量のある作品かつ、死ぬほどかっこいい作品です。
ただ若干、途中ちょっとタルいなと感じてしまったところもあるので点数は3.5で。
しかし、石井岳龍監督の世界はここでしか味わえないのでおすすめです。
心が叫びたがってるの奴らにこれを見せてやりたい。
心どころじゃないものが絶叫している彼らを。
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