ゴン太くん

東京暮色のゴン太くんのレビュー・感想・評価

東京暮色(1957年製作の映画)
4.0
終盤、ことごとく観客の期待を裏切る展開に、ある意味でゾッとするようなところがあるね。期待というのは、つまり明子の人生が良い方向へ転がること、または憎しみを抱いていた母と和解するきっかけができる、というものだったが、それはすべて打ち砕かれることになる。そのため非常に重苦しい作品だけど、東京物語と同様、一度は見て心に刻みたいね。自分が目を逸らしてしまいがちな苦しい出来事を直視させてくれるような、そういう意味での希望に大変満ちている。
それにしても、昔の不良ってのはくだらないことしか言わないね。小津作品によく出てくるけど、あんまりにつまらないことばかり言ってるからイライラするよね。