YasuyukiMuro

東京暮色のYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

東京暮色(1957年製作の映画)
3.9
小津安二郎監督、1957年、最後のモノクロ作品。
笠智衆と娘二人の親子の物語と言ったら、またいつもの人情親子モノか、、、と思いきや、小津監督史上最も暗くそして救いの無い物語だった。

二女の明子(有馬稲子)はその可愛らしい顔とは裏腹に、出自への疑問と置かれた状況のダブルパンチで、小津映画史上最も不幸な役だったのではなかろうか、、、

前作で場を和ませたのんちゃん(高橋貞二)は口調は戯けていてもクズ野郎だし、取り巻く男どもがことごとく下衆だった。

長尺2時間20分、いつか好転するはず、、という期待も裏切られ、後半のショッキングなシーンでかかる場違いな呑気な旋律が、余計に悲しく感じるのは狙いなのか?
父親笠智衆は無理でも、姉の原節子に相談はできなかったのか、、、と思う。

主演の有馬稲子さん、初めて拝見しましたがとても綺麗な女優さんですね^ ^ウィキ覗くと、戦争中は両親と生き別れ釜山の叔母に預けられたらしく(引き揚げ後、再会してますが)、そういう意味ではこの役はハマり役だったのかもなんて思ったり、、、

小津鑑賞も終盤、、もう少し頑張ります!
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