東京暮色の作品情報・感想・評価

「東京暮色」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

いつものふんわりムードな感じじゃなくて、設定が冬だったり夜のシーン多めだったり、ライティングもいつもとは違う影を強く出すように作ってて、小津安二郎って悲しい話書くときにこんなにあからさまな演出するんだって思った。でもそのライティングがわりと好きだった。
この映画ってものすごく現実的な感じがする。どんなに悲しくても人生は続いていくよねっていう。割と悲しいシーンでもいつもの小津映画でかかってるような軽快な音楽がかかってるし、最後のシーンでお父さんが最初のシーンと同じ生活に戻る感じもこれが現実だなーって。身内が死んでも意外に学校に行ったり仕事してたりするもの。でもそれってなんだか悲しいよねっていうメッセージだったのかな?とも思います。
はじめてちゃんと?人妻してる原節子だったけどめっちゃ美しいっすね…なんか今までにはない官能的な感じがした。
てふ

てふの感想・評価

4.5
家族の冠婚葬祭をユーモアを交えて描くいつもの小津作品ではなく、母の不存在から影を背負っている家庭の崩壊を抑えられたトーンで描いている。『風の中の雌鶏』など暗い作風のものも知っているが、ここまでの悲劇は一線を画している。

北海道へと立つ冬の上野駅にて、娘の原節子が見送りに来てくれることを願う母のシーンには胸を打たれた。また、そこで流れていた見送りの壮行としての明治大学校歌から、かつて北へと旅立っていった先輩の人生に思いを馳せてみたり。

実生活においても、山田五十鈴は娘の瑳峨三智子を棄て疎遠になり、有馬稲子は市川崑の子供を堕ろしているようで興味深い。

新文芸坐/山田五十鈴特集にて
wkm

wkmの感想・評価

4.0
家族はすでに壊れてる、そこを直視するきっかけさえあれば一息でバラバラになる、二度と戻らない。有馬稲子の独壇場、よかった。
初の小津安二郎映画、良かったです。ストーリーにも惹きつけられたが、特に映像が素晴らしく感じた。室内のローアングル、外の風景の切り取り方とか見てるだけで心地よいものがあった。見れば見るほどに美人に見える原節子も良かった、眼差しに惹きつけられた。
小津作品には珍しい劇的な展開...そんな中でも笠智衆の安定感は抜群。
小津安二郎監督作品とは思えぬ「実に暗~い映画」であった。 
観ていて自分の気持ちも暗くなってしまう。こうした小津作品は珍しい。 

父(笠智衆)と娘二人(原節子、有馬稲子)の誰もが暗い。 
姉(原節子)は夫と上手くいかず別居するために自分の幼い娘を連れて、父親の住む実家に戻って別居状態。 
妹(有馬稲子)は、ツッケンドンな態度をとっており、男に妊娠させられて、その男を探し回っている。 
辛すぎる!! 

唯一、マージャン屋のおやじ(中村伸郎)のことを「ちょいと滑稽なチョコチョコした人」と表現したセリフにユーモアが垣間見られた。しかし、笑えるほどではない。 

こうした観ていて気持ちが暗くなる小津作品は、稀である。
なすび

なすびの感想・評価

5.0
何だかすごくミニマムだなぁ、と。こんな重い話なのに、何時もと同じようにまとめてくる。今回はすこしだけ重めの豆腐を作ったんですね、とばかりに。

激重おづーづ、いい勉強になりました。最後まで不憫なアキちゃんむげねぇ…

あ、グレートギャツビーみたいな眼鏡あれ気になりました
かさ

かさの感想・評価

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暗いのお
キよ4

キよ4の感想・評価

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暗い夜に始終無愛想で暗い表情でまるっきり笑顔がない次女明子そして駆け落ちした母親喜久子との再会に明子の中絶踏切事故という暗い物語が感情を押し殺して淡々といっけん穏やかに展開していく
妻に逃げられた銀行の監査役の父親周吉
夫と折り合いが合わず実家で別居中の長女孝子
内面の葛藤などはいろいろあるだろうけど敢えて描かず大人の対応という風情
ただしひとり明子は男を追いかけ妊娠中絶 母親を否定し物語に悲劇を作り暗さに拍車をかける
明子役の有馬稲子が現代的な娘役で美貌というかきれいすぎ モノクロ映像に映える
2人の会話(誰でも構いません)のシーンこちら側に語りかけるようなカットそこになんか不思議な構図のカットを入れて変な感じ
tjr

tjrの感想・評価

4.5
怖すぎる。夜のシーンでの照明は下手なホラーよりずっと怖い(素晴らしい)。女性たちには常に子の亡霊がまとわりつき離れない。冒頭から死者のように顔を覆われた赤ん坊、サイレンや犬の鳴き声、そして暗闇に開け放たれた襖(大抵そこからは有馬稲子が現れるのだが)からいつ霊が姿を現わすのかとずっと怯えていた。杉村春子と笠智衆が昼食に行く辺りでも霊の視点のような意味深な角度からのショットが挿入され怖い。
麻雀店で肉親の死を2度報告される山田五十鈴。麻雀店に飾られた女性の横顔肖像は、有馬稲子が同じ向きに並ぶ時死相を連想させる。怖い。
珍々軒(すごい店名だ)での電車の音、酒をこぼすこと、そして外に出たら風が吹いている、この辺りの演出も怖すぎる。全編通じてやかん・急須の映り込みようさえ怖い。
久々に小津を観たがやはりショットの構築性には平伏すほかない。
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