坐禅マニアのフリーターの私信

ツリー・オブ・ライフの坐禅マニアのフリーターの私信のレビュー・感想・評価

ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)
3.0
結論から言えば、ぼくはこの映画の中に生命の樹を感じることが出来なかった。紋切り型の家父長制度で、エディプス期一通り再現されても、そこから何か深いものが抽象できるわけでもない。思うに、こうした壮大なテーマを掲げながらミクロの人間模様で納得させるパターンは難しいし、失敗してる作品はマジで痛い。この映画はマリック氏の信仰をやたら疲れるおしゃれ映像で見せつけられてる感じで、こちらに考える暇もないし、その映像全部が五感に訴えかけてくるように作られてるわけだが、その映像に品格がないと思った。例えるならAVに近い。ずっと受動的に刺激され続ける感じ。だから詩情が全くない。こういうアプローチよりも、些細な人間模様から壮大なスケールまで超越するような映画をぼくは見たい。