【1960年キネマ旬報日本映画ベストテン 第1位】
幸田文の同名小説を市川崑監督が映画化した作品。宮沢一夫による「銀残し」の撮影手法により独特の映像美が表現されている。
特にこれといった盛り上がりがある訳でもなく、正直話自体は退屈だった。
ただやはり銀残しによる渋い映像美がこの話には合っていると思ったし、足だけを執拗に映したり斜め上からの室内カットだったりサスペンス的な演出もうまいと思った。
誰もが異なる方向を向いているような、誰も理解し合っていない欺瞞に満ちた人間関係、家族の重苦しさが銀残しという映像手法により上手く表現されていたと思う。