菩薩

おとうとの菩薩のレビュー・感想・評価

おとうと(1960年製作の映画)
4.1
弟はグレて不良でやりたい放題、母は厳格なクリスチャンでリウマチ持ち、家事の一切任せきり、父は小説家で無関心、家計のやりくり姉任せ、挙句妙な男につきまとまれ、気味の悪い男に言い寄られ、気の進まない縁談を持ちこまれとくれば誰だってヒステリーの一つや二つ起こしたくもなる。

それでも、手のかかる程かわいいもの。そんな弟が悪い咳をしだす。となれば決まって悲劇的な展開。皮肉なことに弟の病が家族を結びつける。出来ることはしてやりたいと嘆く父、痛む足を引きずり馳せ参じる母、寂しがる弟の手を自分の手と紐で結ぶ姉。「姉さんありがとう」の言葉に思わず落涙禁じ得ず。それでも姉には悲しむ暇すらない、衝撃的なラスト。

岸恵子は言わずもがな、看護婦役の江波杏子がとても可愛い。