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おとうとのアップルのレビュー・感想・評価

おとうと(1960年製作の映画)
3.8
幸田文の同名小説を市川崑監督が映画化した名作です。大正時代、複雑な家庭環境から不良となってしまう弟の碧郎役に川口浩。その姉役は岸恵子が演じています。両親がこれまた豪華な配役で父親は森雅之、継母は田中絹代です。チラッと出てくる岸田今日子の場面は継母とこそこそ話しているだけでホラーの雰囲気を醸し出します。悲劇的に進んでいくお話を市川崑監督が乾いたタッチで描くので泣けないかな?と思っていましたが、最後は田中絹代の名演技に結局泣いてしまいました。冒頭の傘の場面など印象的で銀残しによる渋い色調も効果を上げています。
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